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セックス(性行為)とは その2

【ライフサイクル】
・低年齢での体験
コンドームメーカーのDurex社は主要国の初体験の統計を発表している。2005年の報告では全世界平均が17.3歳、一番高いインドが19.8歳、日本が17.2歳、アメリカが16.9歳、最も低いアイスランドが15.6歳であった。
婚前交渉が一般化した近年、初体験を済ませる年代が低年齢化しているとも言われるが、この主張は正しくないとされる。なぜならば、上述のように、過去において筆下ろしといった形で早い時期に性体験が行われていた事実があるからである。赤松啓介など一部の民俗学者が、この点を指摘している。正しくは、性体験における性別や階層による差が縮小しただけと考えたほうが良いであろう。妊娠、性行為感染症などに関する知識も不十分なまま、好奇心あるいは金銭を得る目的で、性行為を行うことは将来に悪影響を残しかねないが、学校での性教育も、こうした事態にうまく対処できていないのが実情である。

早期の性行動に関しては様々な調査があるが、2005年の木原雅子らの全国高等学校PTA連合会の約1万人を対象にした調査では高校3年の男子30%、女子39%が経験済みと答えている[1]。また、2002年の東京都内の生徒約3000人の性調査によれば、高校3年の男子の37.3%、女子の45.6%がセックスを経験済みと答えている[2]。これを理由に、性の低年齢化が都会を中心に進んでいるとの主張があるが、これも正しくない。もともと性行動に関しては地域差が見られ、青森県などの地方は特に初体験年齢が低いと指摘される。宮台真司は、青森市のテレクラでハントを試みた際、少女に特別の付加価値が付かなかった事を『まぼろしの郊外』で述べている。また、青森市出身の畑山隆則はこの件に関し、「寒いから」と述べている。データでも、群馬県のぐんま思春期研究会が2000年に行った約6000人を対象にした調査では、高校3年の男子46.1%、女子42.2%が経験済み[3]、2000年の秋田県性教育委員会の男子197名、女子264名を対象とした調査では高校3年で男子47%、女子50%が経験済みと出ている[4]。しかも、これらは都会の調査より早い時期に行われたものである。

初体験をより早く済ませることを同年代の者に誇り、そうでないものを見下したり、コンプレックスを感じさせたりするような風潮が問題視されることもある。キンゼイ報告によれば、性体験の早さと学歴・所得の間には明らかな反比例の関係がある。しかし、早期の性行動を行ってしまった人は、実際にはレトロな考えを持ちやすいことが分かっている。実際のところ、そういった考えは周囲から見てそうなのであって、本人が意図していることは少ない。アメリカで、性教育バッシングを行っているのが、児童性的虐待の被害者であったりする背景にはこうした事情がある。

幼児のうちから異性の性器を見る者もいる。日本では、両親が異性の子と一緒に風呂に入ることは一般的であるし、異性の兄弟姉妹がいる場合は、彼らの裸体を見ることもある。また、他人の性器を見る事もある。発達心理学の観点からは、幼児期を過ぎた男女には性的羞恥心が生まれ、性器(胸)を隠すようになり、恋愛している異性以外へは性器(胸)を見せたり接触させたりするのを、避けるようになるとの解釈が一般的である。特に、物心ついた段階で本能的に女性の男性に対する忌避感情が生まれるとするのが一般的である。幼い恋人同士の性行為は、第一次性徴期ならキス程度が大半であるが、第二次性徴期になると、年齢と共に変化する異性の体(性器、陰毛、女性の乳房など)に興味を持ち始め、キスだけでなく、互いの裸体を見せ合ったり、愛撫、性交する者も出てくる。

・性被害との関連 13歳未満の女性と性交すると強姦罪に問われるほか、成人と18歳未満の児童との性交を取り締まるいわゆる「淫行条例」(例:東京都青少年の健全な育成に関する条例)が、各都道府県で制定されている。余りに低年齢の性のモラルが乱れているとして、例えば東京都では、条例を改正し規制をさらに強化しようとする動きが起こっている。さらに、18歳未満の児童同士の性交も同様に取り締まるべきという意見もあるが、本来個人のプライバシーの領域である性に、行政が干渉することを批判する意見もある。また、18歳未満の児童に成人を誘わせて性交させた後、淫行条例での被害届を示唆して金銭を喝取する事例もある。

沖縄県などでは望まざる初体験が少なくないことも指摘される。沖縄県では沖縄米兵少女暴行事件など、米兵等による強姦が行われている影響もあり、他の地域に比べると性被害率が異様に高くなっている。1972年の本土復帰以降、米兵による強姦の発生は明るみに出ているだけでも120件以上に上る。また、沖縄タイムスの1999年の調査報告では、沖縄県の大学生の性被害率は、強姦・強姦未遂に絞っても女性の15.3%、男性の2.7%という驚くべき結果になっている。

・近親者との性的体験
人類学的には、インセスト・タブーは全人類普遍的であることが報告されている。イスラエルのキブツの研究、あるいは台湾のシンプアの研究から、例え兄弟でなくても幼い時期に社会的接触の多かった男女同士は、成長すると互いに距離をとるようになるため、彼らの間に恋愛感情は生まれにくいという事実が判明している(ウェスターマーク効果)。ただしこれは、所謂「長期的な目で見た場合」そのような感じだということであるため、この理論には、短期間の性行為が起こる可能性までは否定できないという問題がある。キブツを調査していたメルフォード・スパイロは、思春期に強く感情が抑圧されるためにウェスターマーク効果のような現象が起こることを指摘している。

性的経験・性的虐待に関する調査結果に表れた近親姦発生率の高さは、近親相姦のタブーが実際にはさほど機能していないことを示している。アメリカのキンゼイ報告では、近親者による性虐待を受けた経験がある女性は、全体の5.5%(うち実父・継父が1.0%)とされ、フェミニストのダイアナ・ラッセルが1978年に行った、サンフランシスコの女性930人を対象にした調査では、18歳までに女性の16%が近親者との性行為を体験しているとされる。また、社会学者デイビッド・フィンケラーが1978年に行った、大学生を対象にした調査によれば、男性の10%、女性の15%が兄弟姉妹との性行為を体験しているなど、様々な調査報告があり、高い近親姦発生率を示している。日本のデータはアメリカに比べると少ないが、五島勉の『近親相愛』(1972年)では、女性1229人中4.7%に近親姦あるいは未遂の関係があったと述べられている。

前述のフィンケラーによる兄弟姉妹間の近親姦調査では、体験年齢が鍵を握る事が分かっている。9歳以降ならば性的自尊心は強くなる事が多いが、9歳以下の場合、性的自尊心が低くなってしまう事が多い。

アメリカでは1970年代に、近親愛を認めるべきという思想から、近親姦を違法とする法律の撤廃が訴えられたこともあったが、子供への性虐待の可能性に目が向けられたため、そのような発言は反発を受けていた。この問題は現在でもしばしば話題にされる。

・性交と結婚
結婚制度は性交を社会的に管理する役割を持っている。本能のままに行動していては、子の養育などの責務を果たさない者が増加する恐れがあるからである。結婚制度は、夫婦間の結びつきを強め、家族機能を保障するものである。

結婚しているにも関わらず、他の異性と性交をすることを姦通、やや遠まわしに「不倫」と言う。結婚している者が配偶者以外の異性と性交を行った場合、姦通罪に問われる国もある(例:韓国、第2次世界大戦までの日本)。 但し、韓国の姦通罪は男女共に罰せられるが、日本の旧刑法における姦通罪の場合、罰せられるのは女性のみであった。

夫婦が性交を行う頻度は当然各々違うが、国によっても差異があるようである。Durex社のGlobal Sex Surveyでは、日本人の性交回数は、諸外国と比較すると少ないとされている。近年は、性交がほとんどない夫婦をセックスレス夫婦と呼ぶことも多い。厚生労働省の調査によると、1ヶ月以上性交渉のない夫婦をセックスレスとみなした場合、日本の夫婦のうち、実に32%がセックスレス状態にあるとの事である。但し、日本の夫婦においては精神的なつながりが希薄との統計的な資料は存在しない。

【集団生活における性行動】
男女が一緒に集団生活をする場合、一般に性行為は禁止される。これは、異性を取り合うことにより集団間に葛藤が生じるのを防ぐためである。遠洋航海を行う艦船内や、南極観測越冬基地内などでは、一般に男女の恋愛が起きないように指導されている。
太平天国の乱では男女間の恋愛は禁止されていたが、長征中の中国共産党では恋愛は自由であった。このことから、集団内の恋愛や性行動が集団の機能に与える影響には、様々な解釈が存在することがわかる。

【高齢者の性】
高齢化社会を迎え、高齢者の性も注目されている。高齢者同士でも、男女が互いに性的魅力を感じることや、性行為を行うことは、決して珍しい事ではなくなっている。閉経後は妊娠の心配がなくなるせいか、女性の性欲の強さは増加する傾向が認められている。高齢者の場合、性交までいかなくても、抱き合うことやクンニリングスやフェラチオで性的な満足が得られる。

【その他】
・着衣の有無
現代では性交を行う時は全裸になるのが一般的であるが、プライバシーの保てない住宅事情から日本でも第2次世界大戦前は一般に、裸になる方が珍しかったという。日本では夫婦が子供を挟んで川の字になって寝ることが多く、子供が目を覚まさないように気を付けながら性行為を行った。このため、子供が目を覚ましたとき明らかに両親の性行為が分かるような行動を避けたものと思われる。また、時間のないときや第三者に見つかるおそれを伴う場合は、下半身のみ出した状態などで行うことがある。この点着物は都合の良い服装であった。

但し現代においては、制服(学生服やその他職業制服)やドレスなどの衣装を身にまとい性行為を楽しむ者も少なくない。性的興奮を強調させる、官能的なデザインのネグリジェや下着なども好まれている。フェティシズム#様々なフェティシズム・パラフィリアも参照のこと。

・セックス時間
全世界で26%のシェアを持つコンドームメーカーのDurex社は主要国のセックス時間の統計を毎年発表しているが、その調査報告によれば、アメリカ19.7分、ドイツ22.2分、スペイン21.7分、イタリア20.1分、最長はイギリスの22.5分で、最短はタイの11.5分であり、全世界平均は19.7分であり、日本は19.5分である。ただし、この統計はペニスを挿入してからフィニッシュまでの時間である。アメリカなど世界的には丹念に愛撫を行った後のセックスであるため、実際にはこの統計より長いセックス時間となっていると推測されているのだが、日本ではそこそこの愛撫ですぐにペニスを挿入するためそのままの時間である可能性が高い。

・人前での性行為
通常、性行為は自分とパートナー以外の第三者に見つからない場所で行われるが、第三者に見つかるおそれのある場所や、あえて第三者の前で行われる場合もある。(一般には変態性欲の現れとみなされるし、公然での性行為は、法的には犯罪である。刑法 第23章 第174条 公然猥褻罪参照)

第三者に見つかるおそれのある状況として、自動車内(カーセックス。「カックス」と略す場合もある)、夜間の公園、山奥、海岸、路上などの野外(青姦)、カラオケボックス、混浴の温泉、会社の倉庫や非常階段などで行う場合が考えられる。この他に自宅であっても第三者が家の内にいる場合も含まれる。 あえて第三者の前で行われる状況としては、何らかの金銭目的の場合や、同好の士が集団で行う場合などが考えられる。

ストリップ劇場で「白黒ショー」と称して、男女の出演者(プロ)が性交の様子を見せることがある。あくまでショーであるため、男性は射精をしないという暗黙のルールがある。また「生板ショー」と称し、希望する観客と踊り子に舞台上で性交を行わせることがある。生板の場合、客は避妊具着用のうえで射精してもよい。(昭和47年~昭和60年迄はよく見られたが、昭和60年の新風営法施行により取締りが厳しくなり、現在は都会の劇場では、ほとんど行われていない。)
アダルトビデオの撮影はカメラ・監督・照明・メイクなど数人のスタッフの元で行われる。慣れない男優の場合、うまく勃たないこともある。また、電車の中や公道上など野外で撮影されたアダルトビデオがある。(AV女優の清水あり紗など、現行犯逮捕された事例もある)
まれに社会に対する抵抗・抗議などを示すため、公共の場所で行う者もある。
同好の者が集まって、大人数で性行為を行うことがある。(グループセックスを参照)
ホームレスの夫婦が公園などで行うことがある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』